＃２　問題社員に限って言いがかりをつけてくる！

さて翌日、Ａ社の代表Ｋさんが私どものオフィスにいらっしゃいました。

（Ｋさんは大分緊張した面持ちです。）

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Ｋさん：はじめまして。ご紹介いただいたＫと申します。この度はよろしくお願いします。

岩沢：こちらこそ、よろしくお願いします。どうぞ、こちらにおかけください。早速ですが、まずはお話をお聞かせください。書面を拝見しましたが、いきなり『団体交渉申入書』が送られてきたのですよね？

Ｋさん：はい、最初は何のことだかわからなくて、しばらく放っておいたのですが、電話がかかってきて、「なぜ返事がないのか。これは不当労働行為だ。何だったらこれからそっちに押しかけてもいいんだぞ！」と脅されました。それなので、「相談して早急に返事をします。」と一旦待っていただいている状況です。

岩沢：そうですか。具体的には、この協議事項にあるＹさんという方のことが問題になっているのですよね？これまでの経緯を詳しく教えていただけませんか？

Ｋさん：Ｙさんは今年の１月に２号店に応募してきました。パートタイムで、当初は週４日、１日４時間程度の勤務でしたが、本人の希望もあり少しずつ勤務時間を増やして、６月からは週４で１日７時間勤務していました。

岩沢：そうですか。では１ヶ月更新ということなんですね。

Ｋさん：はいそうです。飲食業界は定着率が低いのです。みんなびっくりするほど長続きしませんので、自然とそうなってしまうというか、１ヶ月更新が常識なんです。

岩沢：契約書は交わしているのですか？

Ｋさん：いいえ、口頭でお話ししただけです。

岩沢：そうですか。ただ本人は１ヶ月更新ということを認識しているわけですよね？

Ｋさん：はい、入社の時に説明していますし、毎回次の月はどうするか話をしていますので、本人はわかっているはずです。私としては、みなさんが働きやすい職場環境を整えるというのがモットーですから、Ｙさんについても極力希望を受け入れていました。

岩沢：なるほど。で、どのような経緯で退職に至ったのですか？

Ｋさん：Ｙさんは色々と問題がありました。例えば、当日の朝に連絡してきて１時間も遅刻するとか。お店なので穴を開けられるととても大変なのです。それがわかっているはずなのに、注意したら「連絡をしたのになぜ悪いのか」と逆切れするんです。５分や１０分の遅刻はざらですよ！

岩沢：それはヒドいですね。

Ｋさん：また「休憩を１５分しかとっていないので、その分の給料を支払え」と言ってきました。「だったら休憩の入りと出にキチンとタイムカードを押してください」と注意しても無視して全然タイムカードを押さないんです。

岩沢：え？そうなんですか？

Ｋさん：あとキッチン担当なのに、何かというとレジに入りたがります。やむなく認めてレジに入らせたところ、３日連続で3,000円から5,000円の不明金が発生しました。あわててレジは店長が対応するようにさせました。何よりもＹさんは、職場の環境を乱す存在でした。何かというとお店の悪口ばかりなんですよ。悪口を言いながら仕事をするのが当たり前のような雰囲気なので、他のスタッフはＹさんと一緒だと働きづらいと店長に訴えていました。その雰囲気はお客様にも伝わるので、お店の近隣に住んでいらしゃるお客様も「あの方がいるとお店に入りにくいわ」とおっしゃっていたくらいなんです。

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なるほど、Ｙさんはかなりの問題社員だったようです。

Ｋさんのストレスもかなりたまっていた模様。

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